「公立高校が全国の私立強豪を倒して頂点に立つ」。
まるで漫画のようなストーリーを現実のものとし、高校女子バドミントン界で「絶対女王」として君臨しているのが、山口県立柳井商工高等学校です。
2026年度、高校での活躍を夢見る中学生や保護者の方々にとって、この学校の存在は決して無視できないものでしょう。なぜ、地方の公立校がこれほどまでに強いのか。
その秘密は、単なる練習量だけでなく、独自の指導哲学と環境にありました。
この記事では、圧倒的な実績を誇る柳井商工バドミントン部の実態に迫り、入部を検討する上で知っておくべき情報を深掘りします。
- 全国大会「春夏10連覇」という驚異的な実績の詳細
- 名将・竹光唯至監督が作り上げた常勝軍団の仕組み
- 日本一を目指すための練習環境と寮生活のリアル
- 卒業後の進路と世界で活躍する先輩たちの系譜
柳井商工バドミントン部の「伝説」と輝かしい実績
柳井商工バドミントン部は、現在日本の高校女子バドミントン界において、文字通り「最強」の地位を確立しています。
主軸キーワードである「バドミントン 柳井商工」で検索する多くの人が、その圧倒的な強さの源泉を知りたいと考えているはずです。
ここでは、近年の驚異的な戦績と、それを支えるチームの基盤について解説します。
史上稀に見る「春夏10連覇」の偉業
柳井商工が打ち立てた金字塔、それは全国選抜(春)とインターハイ(夏)を合わせた団体戦での連続優勝記録です。
2025年のインターハイにおいて、女子団体で見事に優勝を果たし、春の選抜と合わせて前人未到の「10連覇」を達成しました。
私立の強豪校がひしめくバドミントン界において、公立高校がこれほど長期間にわたり頂点を維持し続けることは、まさに奇跡と言えるでしょう。
毎年メンバーが入れ替わる高校スポーツにおいて、この安定感はチームの育成システムが極めて高いレベルにあることを証明しています。
名将・竹光唯至監督の指導哲学
この常勝軍団を率いるのが、竹光唯至(たけみつただし)監督です。
竹光監督の手腕は、選手の個性を最大限に引き出しつつ、勝負どころで競り負けない「精神的なタフさ」を植え付ける点にあります。
「先輩たちが築き上げてきた練習へのひたむきさ」を継承しつつ、常に新しい世代がチャレンジャー精神を持って戦う姿勢を徹底。
U19日本代表のコーチも務める監督の指導は、世界基準の戦術と技術を高校生レベルに落とし込む高度なものであり、選手たちは日々世界を見据えたトレーニングを積んでいます。
大学生をも撃破する「ダイヤモンドカップ」での快挙
柳井商工の強さは高校生レベルに留まりません。
2025年11月に開催されたU22女子バドミントン大会「ダイヤモンドカップ」では、並み居る大学の強豪チームを相手に勝利を重ね、見事に初優勝を飾りました。
特に、決勝リーグでは日本体育大学などの強豪大学を相手に全勝優勝を果たしており、その実力は大学トップレベルとも互角以上に渡り合えることを証明しました。
高校生の枠を超えた実戦経験が、彼女たちをさらなる高みへと押し上げているのです。
世界へ羽ばたく卒業生たち
柳井商工の強さを語る上で欠かせないのが、世界で活躍するOGたちの存在です。
近年では、宮崎友花選手や田口真彩選手など、在学中から国際大会で結果を残し、卒業後も日本のトップランカーとして活躍する選手を輩出しています。
彼女たちの活躍は、現役部員にとって「自分たちも世界で戦える」という強烈なモチベーションになっており、偉大な先輩の背中を追う好循環が生まれています。
地域と一体になった強化体制「ACT SAIKYO」
柳井商工の躍進の裏には、地元山口県の女子実業団チーム「ACT SAIKYO(アクトサイキョウ)」との密接な連携があります。
トップレベルの実業団選手と日常的に練習できる環境や、指導者の交流など、地域全体でバドミントンを強化するシステムが構築されています。
公立高校単独では難しい高度な練習環境も、こうした地域のバックアップがあるからこそ実現できているのです。
圧倒的な強さを支える練習環境と施設

全国制覇を続けるためには、相応の練習環境が必要です。
しかし、柳井商工は公立高校であり、私立のような豪華絢爛な専用施設が最初からあったわけではありません。
ここでは、限られた環境をどのように最大限活用し、日本一の練習を作り上げているのかを見ていきましょう。
公立校の枠を超えた体育館の熱気
柳井商工の体育館は、日々、日本一を目指す選手たちの熱気で包まれています。
練習は質と量の両面で非常に高いレベルが求められ、シャトルを打つ音と選手たちの掛け声が絶えることはありません。
コート内では、竹光監督の鋭い視線のもと、一切の妥協を許さない厳格な雰囲気で練習が行われますが、同時に選手同士が声を掛け合い、互いを高め合うポジティブな空気も流れています。
この「厳しさと明るさの共存」こそが、柳井商工の練習環境の最大の特徴です。
「世界」を意識した質の高い練習メニュー
ただ長時間練習するだけでは、全国の頂点には立てません。
柳井商工の練習は、常に「実戦」と「世界」を意識したメニュー構成になっています。
基礎的なフットワークやノック練習においても、試合の後半で足が止まらないための持久力強化や、相手の裏をかく戦術的な意図が組み込まれています。
特に、競った場面での精神的な強さを養うためのシミュレーション練習や、高速ラリーに対応するためのスピード強化には定評があります。
フィジカルとメンタルの両輪強化
技術練習と同じくらい重要視されているのが、フィジカル面の強化とメンタルトレーニングです。
連戦が続く全国大会を勝ち抜くためには、怪我をしない強靭な体作りが不可欠です。
専門的なトレーニングを取り入れ、体幹強化や柔軟性の向上に努めています。
また、プレッシャーのかかる場面で自分の力を出し切るためのメンタルコントロールも、日々の練習やミーティングを通じて養われています。
寮生活と部員の一日
柳井商工バドミントン部には、県外からも高い志を持った選手が集まってきます。
親元を離れての寮生活は、選手としてだけでなく、人間として大きく成長する場でもあります。
日本一を目指す彼女たちがどのような生活を送っているのか、その一端を紹介します。
仲間と切磋琢磨する共同生活
寮生活は、基本的に複数人部屋での共同生活となります。
全国から集まった仲間たちと寝食を共にすることで、チームワークは強固なものになります。
練習で辛いことがあっても、同じ目標を持つ仲間がすぐそばにいることは、精神的な大きな支えとなります。
洗濯や掃除、身の回りのことを自分たちで行うことで、自立心や感謝の気持ちも育まれていきます。
アスリートとしての食事と栄養管理
激しい練習を毎日こなす選手たちにとって、食事はトレーニングの一部です。
寮では、アスリートに必要な栄養バランスを考慮した食事が提供されます。
体を大きくし、怪我を防ぐためには、好き嫌いなくしっかりと食べることが求められます。
体重管理やコンディション調整も選手自身が意識して行う必要があり、食生活を通じて自己管理能力が高められます。
学業と部活動の両立
「バドミントンさえできればいい」という考えは、柳井商工にはありません。
公立高校の生徒として、学業をおろそかにすることは許されず、テスト期間中などは勉強時間の確保もしっかりと行われます。
授業に集中し、課題を提出することは当たり前のルールです。
限られた時間の中で部活と勉強を両立させるタイムマネジメント能力は、卒業後の社会生活でも大いに役立つスキルとなります。
入部方法と求める選手像
2026年度に柳井商工への入学・入部を希望する場合、どのような手続きや準備が必要なのでしょうか。
公立高校である以上、入試制度を正しく理解しておくことが重要です。
ここでは、入部へのルートと、チームが求めている選手像について解説します。
公立高校入試の壁を突破する
柳井商工は山口県立の高校であるため、基本的には山口県の公立高校入試を受験し、合格する必要があります。
私立の強豪校のような「特待生制度で学費免除」といった仕組みは、公立校のため原則として存在しません。
学力検査や面接を経て入学資格を得る必要があり、県外からの志願者には特別な出願条件(県外入学枠など)が適用される場合があるため、必ず最新の入試要項を教育委員会や学校のホームページで確認してください。
「推薦」やスカウトの可能性
公立高校ではありますが、全国的な強豪部活動であるため、スポーツ推薦(部活動の実績を重視した選抜)の枠が設けられている可能性があります。
また、有望な選手に対しては、練習会などを通じて指導陣から声がかかるケースも考えられます。
しかし、最終的には入試というハードルがあるため、バドミントンの実力だけでなく、最低限の基礎学力は必須です。
「バドミントンで日本一になりたい」という強い意志を、面接や自己PRでしっかりと伝える準備も必要です。
求めるのは「覚悟」を持った選手
柳井商工が求めているのは、単に技術が高い選手だけではありません。
「3年間、厳しい練習に耐え抜き、日本一を目指す」という強い覚悟を持った選手です。
チームの伝統や規律を守り、仲間と協力できる人間性が重視されます。
中学時代の実績が華々しくなくても、高校で伸びる可能性を秘めた選手や、ひたむきに努力できる選手にはチャンスがあります。
技術は入部後に竹光監督の指導で伸ばすことができますが、心の強さは本人の意志次第です。
卒業後の進路とキャリア

柳井商工での3年間を終えた後、選手たちはどのような道を歩むのでしょうか。
「絶対女王」の称号を持つ卒業生たちの進路は多岐にわたり、それぞれが高いレベルで活躍を続けています。
実業団トップチームへの道
多くの主力選手は、卒業後すぐに実業団チーム(S/Jリーグ)へと進みます。
地元山口のACT SAIKYOはもちろん、再春館製薬所やNTT東日本など、日本を代表するトップチームで即戦力として活躍する選手も少なくありません。
高校時代に培った基礎技術と精神力は、社会人の厳しい世界でも十分に通用する武器となっています。
大学進学とインカレでの活躍
大学へ進学し、インカレ(全日本学生選手権)での優勝を目指す選手もいます。
日本体育大学、法政大学、筑波大学など、関東や関西の強豪大学へ進み、学業と競技を両立させながら、将来的な日本代表入りや指導者を目指す道もあります。
2025年のダイヤモンドカップで大学生に勝利した実績からも分かる通り、大学入学直後からレギュラーとして活躍するケースも珍しくありません。
日の丸を背負う未来
柳井商工の最終的なゴールは、高校日本一だけではありません。
その先にある「オリンピック」や「世界選手権」を見据えています。
卒業生の中にはナショナルチーム(A代表、B代表)に選出され、世界中を転戦している選手もいます。
柳井商工で過ごす3年間は、世界へのパスポートを手に入れるための、最も濃厚で重要な期間となるでしょう。
まとめ
柳井商工バドミントン部は、公立高校でありながら「春夏10連覇」を成し遂げた、まさに奇跡のようなチームです。
しかし、その強さは魔法ではなく、竹光監督の卓越した指導、質の高い練習、そして選手たちの血のにじむような努力の結晶です。
2026年度、この門を叩こうとしている皆さんへ。
ここには、本気でバドミントンに打ち込める最高の環境と、一生の財産となる仲間との出会いが待っています。
「日本一」という景色を自分自身の目で見たいなら、覚悟を決めて挑戦してください。
まずは、学校説明会や練習見学に参加し、その肌で「王者の空気」を感じてみることから始めましょう。


