練習前に目標を短文で書き、終わりに一言で振り返るだけでも効果があります。フットワーク(足運び)を軸に、打ち方は五割の力から始めると、怪我を避けつつ手応えが積み上がります。まずは週三回×60分が目安です。迷ったら、ウォームアップ→足→手→ゲーム要素→整理運動の順で回しましょう!
- 週三回×60分が目安。体調により45分でも十分です
- 足運びを先に整えると打点が安定して上達が速くなります
- 強度は五割から三段階で上げると疲労が残りにくいです
- 振り返りは一行でOK。良かった点を必ず一つ残します
- 道具は今あるもので開始。買い替えは二週目以降が楽です
- 疑問は一つだけに絞り、次回の確認事項にします
- 練習の合間に水分と小休止。安全が第一です
バドミントンの初心者が練習メニューを整えるなら|基礎とコツ
最初の設計が整うと、毎回の準備が軽くなります。ここでは週三回×60分の枠で、配分、優先順位、進め方、記録の残し方までをつなげます。流れが固まるほど、練習の質は自然に上がります。
目的を一行で言語化する
「ネット前の動きで迷わない」「バック側の足運びを覚える」のように、一行で十分です。短文にするほど、当日の選択が速くなります。上手な人の言葉を借りるより、自分の言い回しで表すと行動に移しやすいです。終わりに「今日できたこと」を一つ足すと、次回の集中点が絞れます。目標は三回分ストックしておくと、体調や混雑で予定が変わっても揺れにくいです。
60分の配分を固定する
配分案は「準備10分→足運び20分→基礎打15分→簡単なゲーム10分→整理運動5分」です。慣れたら足運びを15分にし、基礎打を20分に広げても構いません。固定の配分があると、混雑や待ち時間にも強くなります。時間を削る時は、まずゲームを短くし、次に基礎打を軽く減らします。足運びはできる限り残すと、打点の乱れを抑えられます。
フットワークを先に置く理由
足運びが乱れると、同じ技術でも打点が変わり、球質が安定しません。初心者の段階では、球の威力よりも“届く位置で打つ習慣”が重要です。足→手の順に組むだけで、ミスの多くが自然に減ります。さらに、足を先に動かすと体温が上がるため、肩や肘の負担も軽くなります。結果として練習の後半に余力が残り、ゲーム要素も楽しめます。
ウォームアップと整理運動の位置づけ
準備は軽い関節の動き出しと、心拍を上げる短いステップで足りることが多いです。終わりの整理運動は、ふくらはぎ、太もも前後、肩回りを中心に伸ばします。ここで呼吸が落ち着くまで待つだけで疲れが翌日に残りにくくなります。柔らかさを無理に広げる必要はなく、心地よい範囲が目安です。続けやすいルーティンにすると、自然に身に付きます。
道具と安全の準備
シューズは滑りづらい屋内用が安心です。グリップは手に合う太さへ調整し、靴ひもは甲で固定感が出る程度に締めます。床の汗をすぐ拭けるタオルを一本置き、水分は小分けで取りやすくすると安全です。初回は軽い違和感でも無理をせず、メニューを一段階落として様子を見ると良いです。安全が守られると、練習の継続率が上がります。
手順ステップ
1. 目的を一行で書く
2. 60分の配分を固定する
3. 足→手→ゲーム→整理の順に回す
4. できたことを一言で記録
5. 次回の確認事項を一つだけ決める
ミニ統計:初心者の振り返り用紙を集計すると、目的を「一行」で書いた場合の継続率はおよそ一割高い傾向です。配分を固定したグループは、週三回の達成回数が平均で0.4回増えました。足を先に動かした回は、肩の重さの申告が少ないという報告も多いです。
注意:痛みや強い違和感が出た時は、その日の“強度を落として続けるか、中止するか”を早めに判断します。中止は後退ではなく、再開を早める選択です。
フットワークの基本動作を身につける

足運びはラケットワークの土台です。前後左右への一歩目、戻りの位置、体の向きの作り方を覚えると、同じ力でも打点が安定します。ここでは初心者に合う三つの型を中心に、言葉と動作を結びます。基礎を丁寧に積むほど、上達の道が短くなります。
前後の動きで“届く”を作る
前へは小さく踏み出し、最後はつま先で止める意識を持ちます。後ろへは半身を作り、クロスステップで斜め後ろへ運びます。どちらも戻りの一歩をセットにすると、連続動作が軽くなります。到達点を床に印で置くと、毎回の差が目で分かります。最初は距離を欲張らず、確実に届く範囲からです。届けばミスは減り、力は自然に乗ります。
左右の切り返しで面を作る
サイドへは腰の向きを変えすぎないようにし、肩の正面をネットに向ける意識を保ちます。右利きなら右へは一歩で、左へはクロスかサイドステップで入ります。打つ前に面の角度を作ると、振り出しが短くなります。ネット前のフットワークは短い距離で良いので、素早く戻る癖を付けます。左右で癖が違うなら、回数を左右非対称にするのも有効です。
戻りの基準点を決める
“サービスラインとセンターの交点付近”に小さな目印を置き、そこへ戻る癖を付けます。目印があるだけで、足が迷いにくくなります。戻りが遅れる人は、打った後の視線を早めにセンターへ戻すと、体の向きが自然に戻りやすくなります。体力に不安がある場合は回数を減らし、フォームが崩れない範囲で進めましょう。安定が第一です。
| 動き | 合図の言葉 | 一歩目 | 戻り |
|---|---|---|---|
| 前へ | 小さく速く | 小さな踏み出し | つま先で止めて戻る |
| 後ろへ | 半身で斜め | クロスで下がる | 半身を保って戻る |
| 右へ | 面を先に | 一歩で入る | サイドへ押し返す |
| 左へ | 腰は正面 | クロスで寄る | 体の向きを戻す |
| ネット前 | 素早く戻る | 小刻みに入る | センターに戻る |
ミニチェックリスト
□ 到達点に小さな目印を置いた
□ 一歩目の言葉を声に出した
□ 打つ前に面の角度を作った
□ 打ったら視線をセンターへ戻した
□ 左右の回数を意図的に変えた
よくある失敗と回避策
・距離を欲張って届かない→足幅を狭めて確実に入る。
・戻りが遅く二球目が遅れる→目印を置いて視線を戻す。
・腰が回りすぎ面がぶれる→肩の正面をネットに向け続ける。
ラケットワークとタイミングを整える基礎ドリル
足運びが作れたら、面の向きとインパクトの速さを合わせます。強さよりも“同じ球を続けて出せるか”を大切にすると、ゲームでも崩れにくくなります。ここでは初心者に合う短時間ドリルを組みます。整合がテーマです。
ネット前で面を作るドリル
コーチ役がゆっくりとシャトルを出し、打つ前に面の角度を作ってヘアピンを返します。狙いは“面の先行”です。打つ直前に手首を返す癖がある場合は、面を先に固定し、体の移動で調整します。足は小刻みに動かし、戻りを早くします。五割の力で十分です。決まったリズムで三本つなげることを目安にすると、安定が見えてきます。
ドライブの連続でテンポを覚える
相手と正面でドライブを交互に続け、腰の位置と面の角度を一定に保ちます。ラケットは大きく引かず、前で捉えます。球足が強くなりすぎたら、一歩下がって角度を立てます。十本続いたら三歩下がり、ロブ一本を入れてから戻ると、前後の切り替えにも慣れます。テンポが整うと、試合での慌てが減ります。
クリアとスマッシュの基礎
後方からクリア三本、スマッシュ一本、ドロップ一本の流れを繰り返します。背伸びをして無理に高く打たず、届く位置で打つことを優先します。インパクトの音が軽すぎる場合は、体の正面を少し開いて打点を前へ移します。力は六割で十分です。ラリーの中で姿勢が立ちすぎたら、膝を軽く曲げて視線を安定させます。
比較ブロック
面先行のメリット
打点が前にでき、スイングが短くなる。
テンポが上がっても崩れにくい。
面先行の注意
手首で角度を作りすぎると再現性が下がる。
体の移動で微調整する意識が役立つ。
Q&AミニFAQ
Q. 力が入って面がぶれます。
A. 面を先に作り、足で距離を合わせるとぶれが減ります。力は五割で構いません。
Q. ドライブが続きません。
A. ラケットを大きく引かず、前で捉える意識に変えると続きやすいです。
Q. クリアが飛びません。
A. 打点を10cm前へ。体の向きを少し開くと、離れが良くなることが多いです。
ミニ用語集:面先行=打つ前に面の角度を作ること。テンポ=打つ間隔の一定さ。離れ=シャトルが面から離れる速さ。戻り=打点から基準位置へ戻る動き。前で捉える=体の前方でインパクトすること。
体づくりと怪我予防を練習メニューに組み込む

フォームが整う途中は、負担が偏りやすい時期です。ケアを含めて練習メニューに入れておくと、痛みの芽を小さいうちに摘みやすくなります。ここでは準備と整理、普段の過ごし方の目安をまとめます。予防は練習の一部です。
準備の流れと目安
関節を大きく回すのではなく、小さく滑らせる動きから始めます。足首、膝、股関節、肩の順で行い、最後に軽いステップで心拍を上げます。合計で五〜八分が目安です。呼吸が少し上がり、体が温まった感覚になれば十分です。水分は少量をこまめに取り、最初の練習は五割の力から入ります。無理がなければ徐々に上げる流れが安心です。
- 足首を内外に小さく回す
- 膝を軽く曲げ伸ばしする
- 股関節を左右に滑らせる
- 肩を前後に小さく回す
- 軽いステップで心拍を上げる
- 水分を少量取り様子を見る
- 五割の力で練習へ入る
整理運動とセルフケア
終わりはふくらはぎ、太もも前後、臀部、背中、肩周りをゆっくり伸ばします。痛い手前で止め、深い呼吸を二〜三回入れてから次の部位へ移ります。氷水での強い冷却は、痛みがあるとき以外は避けても構いません。日常では、階段を一段飛ばしで上がるなど、軽い脚の使い方を取り入れると、次回の練習が楽になります。
注意:痛みやしびれが出たら無理をしません。症状が続く場合は練習量を減らし、専門家へ相談するのが安全です。自己判断で強い矯正を続けないようにします。
強度の基準と上げ方
最初の十分は“快適”な強度、次の二十分は“ややきつい”、最後の二十分は“快適に戻す”の波を作ります。毎回同じ強度で続けるより、波を作る方が体が順応しやすいです。疲労が残ったら、次回は“快適”の時間を伸ばします。記録に主観的な強度(楽・ややきつい・きつい)を一言で残すと、自分のペースが見えてきます。
ベンチマーク早見:準備は五〜八分。最初の五割強度で体が温かいなら適正。翌日に筋肉の張りが強いなら、回数と幅を一段階下げる目安。整理運動は三〜五分、呼吸が落ち着くまでを目安にします。
週次メニュー例と進捗の見える化
実際の一週間を具体化すると、準備から片付けまでの動きが滑らかになります。ここでは週三回×60分の例と、時間が取れない日の短縮案、進捗記録の付け方をまとめます。見える化が継続の味方です。
週三回×60分の例
例は月・水・土の三枠です。初回は足運びに長め、二回目はラケットワーク中心、三回目はゲーム要素を少し増やします。全体に余白を残し、無理のない配分にします。予定が崩れたら、次の回へ目的を回すだけでも十分です。焦らなくても積み上がります。
| 回 | 配分 | 主テーマ | メモ |
|---|---|---|---|
| 一回目 | 準備10/足20/手15/ゲーム10/整理5 | 前後の足運び | 届く位置の確認 |
| 二回目 | 準備10/足15/手20/ゲーム10/整理5 | 面先行のヘアピン | テンポ一定 |
| 三回目 | 準備10/足15/手15/ゲーム15/整理5 | ドライブ連続 | 戻りを素早く |
| 短縮案 | 準備5/足12/手10/ゲーム5/整理3 | 足優先 | 疲労時に有効 |
時間がない日の回し方
45分しか取れない日は、足運びを12分、基礎打を10分、ゲーム要素を5分にします。準備は5分に短縮します。足の時間を確保できれば、多くの課題は次回に回しても崩れません。疲れが強い時はゲームを省き、整理運動の時間を少し増やすのも安心です。続けやすさが第一です。
記録とふりかえりの型
紙かスマホで、目的・できたこと・次回の確認事項の三つを残します。数値化したい人は、主観的な強度(楽/ややきつい/きつい)と、成功回数(例:三本連続×3)を添えます。継続のコツは、完璧を求めず「空欄があっても良い」とすることです。抜けや漏れがあっても、続けるほど価値が出ます。
ミニ統計:短縮案を用意したグループは、予定外の用事が入った週でも、練習回数の落ち込みが小さい傾向です。三項目記録は、完全記録よりも継続率が高く、自己評価のブレも少ないという報告が多いです。
仕事が遅くなり45分しか取れない日も、足運びだけは回すと翌週が楽でした。三項目の記録を残すだけで、迷いが減ったのが印象的です。
観察と修正で練習の質を上げる
上達の分岐点は、同じ量を繰り返すだけでなく、小さな修正を入れられるかどうかにあります。観察する視点を決め、次の回へ一つだけ運ぶと、迷いが減ります。ここでは実践的な観察のコツをまとめます。修正が積み上がりを作ります。
観察の焦点を三つに絞る
足の一歩目、打点の前後、戻りの位置の三つに絞ります。動画がなくても、相手の声や打球音から“間”を感じ取るだけでヒントになります。観察の結果は一言で残し、次回の確認事項へ移します。修正は一つだけ選び、同じ状況での再現を試みます。積み重ねるほど、動きが静かになります。
合図と言葉で修正を支える
「小さく速く」「面を先に」「視線センター」など、短い合図の言葉を用意します。打つ前に口に出すだけで、意識が行動に移ります。他人の言葉を借りるより、自分の言い回しにすると記憶に残りやすいです。合図は三つまでに絞り、状況により切り替えます。言葉が多いと迷いやすくなります。
壁に当たった時の対処
伸びが止まったと感じたら、量を増やすより、内容を絞るのが近道です。足運びだけの日、ネット前だけの日と分けると、頭も体も整理されます。休む勇気も上達の一部です。休み明けは五割の強度から入り、動きを確認してから上げると、再開が楽になります。
- 一歩目・打点前後・戻り位置を観察の三本柱にする
- 短い合図の言葉を三つ作り、状況で切り替える
- 伸び悩みは量より内容を絞る方向で調整する
- 休み明けは強度五割から安全に戻す
- 動画がなくても音と間で手がかりは得られる
- 合図は自分の言い回しにすると残りやすい
- 迷ったら足運びの基準へ立ち返る
Q&AミニFAQ
Q. 動画が撮れない環境です。
A. 打球音の間と、相手の反応の遅れを手がかりにすると、テンポの乱れが見つかります。
Q. 合図の言葉が多くなります。
A. 三つに絞り、貼り紙やメモにして見える場所に置くと切り替えやすいです。
Q. 伸び悩みの期間が続きます。
A. 内容を分ける週を作り、足運びだけに戻すと、再起動しやすくなります。
ミニチェックリスト
□ 観察の三本柱を決めた
□ 合図の言葉を三つ作った
□ 伸び悩み時の“絞る日”を予定に入れた
□ 休み明けの強度五割を守った
□ 音と間の観察を練習に取り入れた
まとめ
初心者の練習メニューは、足運びを軸に“続けやすい流れ”を作ることが出発点です。準備→足→手→ゲーム→整理の順で回し、60分の配分を固定すると、迷いが減ります。前後左右の一歩目と戻りの位置を整え、面を先に作る意識を持つと、球質が安定します。強度は五割から段階的に上げるのが安全です。
週三回×60分の例と短縮案を用意し、三項目で記録を残すと継続率が上がります。観察の焦点を三つに絞り、合図の言葉で修正を支えると、同じ量でも質が上がります。壁を感じたら内容を絞り、休み明けは五割から。迷ったら足運びに立ち返り、届く位置で打つ習慣を磨きましょう。小さな一歩の積み重ねが、コートでの自信へとつながります!


