バドミントンの基本ルールを総整理|得点進行と反則を図解し境界も理解

badminton-home-setup ルールを理解する

バドミントンを楽しむための第一歩は、誰とプレーしても同じ基準で進行できるように基本ルールをそろえて理解することです。公式戦でもレクリエーションでも、得点の数え方やサーブ順、インアウトの境界が揃っていれば、勝敗は技術と判断で決まります。
この記事では得点進行・サービス規定・反則とレット・コートと用具・種目別の違い・試合運用の六つに分け、実例とチェック基準で迷いを解消します。はじめて審判を任された方や、セルフジャッジの場面で戸惑った経験がある方にも役立つよう、言葉の定義を明確にし、判定手順を段階化しました。

  • 得点はラリーポイント制で21点先取が基本です
  • サービスは斜め前方のサービスコートへ打ちます
  • インアウトはライン上を含むかどうかが基準です
  • 反則は接触・打球・位置の三系統で整理します
  • シングルスとダブルスで有効コートが異なります
  • インターバルとエンドチェンジの時刻を意識します
  • セルフジャッジでは迷ったらリプレーを選びます

バドミントンの基本ルールを総整理|要点整理

全体像の焦点は、ゲームの目的と得点方法、コートの使い方をひとつの地図にまとめることです。個別の規定は多いように見えても、進行の原則は「正しく入れた側が1点、次サーブは得点側」という骨格に収まります。迷う場面は言葉を定義すれば解けます。

用語の基準をそろえる

ラリーはサーブで始まり、インプレーの間に打球が続き、アウト・ネット・二度打ちなどで終了します。
「フォールト」は反則で相手に1点が入り、「レット」はやり直しで点は動きません。サービスコートは右と左があり、得点状況で使い分けます。

得点と延長の仕組み

基本は21点先取、デュースは20-20以降に発生し2点差が付くまで続きます。
29-29まで延びた場合は先に30点を取った側がゲームを取ります。インターバルは11点到達時に60秒、ゲーム間に120秒が入ります。

サービスの権利と順序

ラリーポイント制では、得点した側が次のサーブを行います。サーバーは奇数点で左、偶数点で右のサービスコートから始めます。
ダブルスではサーバーとパートナーの立ち位置に加え、ローテーションの記憶が必要です。

インとアウトの境界

ラインはコートに含まれます。シャトルのコルク先端(接地点)がライン上か内側に触れればイン、完全に外ならアウトです。
見えにくい時は最寄りのラインズマンのコール、いない場合は主審または合意でレットにします。

フォールトの大枠

反則は「ネットやポストへの接触」「二度打ちやホールディングなどの打球違反」「相手の視界やスイングの妨害」といった行為で成立します。
サーブ時の規定違反もフォールトで、相手に得点が与えられます。

注意:レクリエーションでも公式規定をベースに統一しましょう。独自の“ローカルルール”は試合前に合意した範囲でのみ採用し、得点方式とサービス順だけは必ず明文化します。

手順ステップ(迷った時の進行)

1. いまの得点を口頭で確認。2. サーブ権が誰かを決める。3. 立ち位置(右/左)を得点の偶奇で決定。4. インアウトは接地点で判断。5. 判定不能ならレットで再開。

ミニ用語集

ラリーポイント制:どちらのサーブでもラリーを取った側が得点。

レット:プレーやり直し。点は動かない。

サービスコート:サーブを打ち合う斜めの枠。

インプレー:サーブからシャトルが死ぬまでの間。

フォールト:規定違反で相手に得点が入る。

サービスとリターンの基本規定を正しく運用する

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サービス規定の焦点は、打点の高さ・ラケット面の向き・両足の静止という三条件を満たし、指定のサービスコートへ斜めに入れることです。リターン側は早すぎる動作や妨害を避け、フェアに受けます。ここが整うと試合は静かに始められます。

サービスモーションの条件

インパクト直前まで両足の一部がコートに触れ静止し、ラケットは下向きでシャフトが床と明確に傾斜、シャトルは腰の高さ(定義は身体の最下ろし肋骨付近)より下で打ちます。
明らかなフェイント以外の自然なリズムは許容されます。

サービスコートの選び方

サーバーの得点が偶数なら右、奇数なら左から。シングルスは奥行き全面、左右は内側のサイドラインを使用。ダブルスはショートサービスラインからバックラインの手前(ロングサービスライン)までが有効です。
ラインに触れても入ります。

リターン時のフォールト

シャトルがネットを越える前に打つ、相手の打球動作を妨げる、明確に叫んで相手を惑わせるといった妨害は反則です。
早すぎるフットワークで相手の視界に入るのも避け、構えの位置は自コート内に保ちます。

比較:メリット/デメリット(サーブの選択)

ショート主体 前を固めやすい 甘いとプッシュで失点
ロング主体 高さで時間を作れる 浅いと強打の餌食
ミックス 読みを揺らせる 精度と再現性が必要

ミニチェックリスト(主審・セルフ兼用)

・得点の偶奇と立ち位置は合っているか。
・サーブの打点と面の向きに違反はないか。
・受け側の早すぎる動作や妨害はないか。
・疑義はその場で停止し、合意か主審判断か。

Q&AミニFAQ

Q. サーブの高さ基準が曖昧に感じます。
A. 基準は身体の下部肋骨付近です。迷う時は双方合意で注意→再開、繰り返す場合は主審がフォールトを宣告します。

Q. リターン側が大声で威嚇したら?
A. 妨害に該当すればフォールトでサーバー側に得点。状況によりレットでやり直す裁量もあります。

ラリー中の反則とレットを体系化して判断する

反則判断の焦点は、プレーの停止理由を「接触」「打球」「位置」の三系統に分け、証拠が曖昧な時はレットで再開することです。ルールの文言に引きずられず、観察→分類→宣告の順で進めれば混乱は大きく減ります。

接触に関する反則

シャトルがネットやポストに触れても規定内ならプレー続行ですが、ラケットや身体がネット・ポスト・相手コートに侵入または接触すればフォールトです。
上からのフォロースルーでネットを越えるのは、相手の妨害がなければ許容されます。

打球に関する反則

シャトルの保持(ホールディング)、明らかなダブルヒット、打球が天井や障害物に触れるなどはフォールトです。
同一チーム内での連続打は不可で、ダブルスでも一人一打の原則が適用されます。

レットでの再開手順

審判や双方がプレー継続不能と認めた場合(隣コートからの侵入、視界の妨害、シャトル破損など)はレット。
サーブからやり直し、得点は動きません。セルフでは冷静に「レット」と宣言し合意を取ります。

よくある失敗と回避策

・ネット接触の自己申告が遅い→ただちに停止して宣言。
・二度打ちの誤解→同時接触は許容、明確な連続は反則。
・隣コート侵入時の続行→安全のため即レット。

ミニ統計(地域大会の例)

・反則の約4割がサーブ規定違反。
・レットの主因は隣コート侵入とシャトル破損。
・セルフ試合では合意形成に20秒以内を目安。

反則と処理の対応表

分類 代表例 判定 再開
接触 ネット/ポスト接触 フォールト 相手に1点でサーブ交代
打球 二度打ち/保持 フォールト 相手に1点でサーブ交代
位置 相手コート侵入 フォールト 相手に1点でサーブ交代
不可抗力 侵入・破損・妨害 レット 同サーブでやり直し

コートとライン・用具の基準を運用目線で理解する

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仕様理解の焦点は、コート寸法とラインの扱い、シャトル速度、ラケットやウェアの基本規格を「判定や進行に効く情報」に絞って覚えることです。記憶すべき数値は少なく、現場で迷う箇所を先に押さえます。

コート測定とライン解釈の実務

コートは縦13.40m、横6.10m。シングルスは左右の内側線を使用、ダブルスは外側線を使用します。
サービスは前方のショートサービスラインと左右のサイドライン、奥は種目によりバックライン(またはロングサービスライン)で判定します。

シャトルの速度と選定

シャトルは温湿度で飛びが変化します。会場で基準打(ベースライン付近からフルヒット)を行い、対角コーナーの0.5~1m内に落ちる番手が適正の目安です。
破損や羽根曲がりは迷わず交換し、レットでやり直します。

ラケットとウェアの基本規格

ラケットは一般的に680mm以内、ストリング破損はプレー中断の対象です。ウェアは背面ナンバーや色指定がある大会もあります。
金属アクセサリーは外し、眼鏡はスポーツ仕様が安全。安全確保はすべての規定に優先します。

ベンチマーク早見

・縦13.40m×横6.10mを即答。
・ラインはすべて“含む”の原則を徹底。
・番手は会場テストで合わせる。
・シャトル破損→レット→交換→再開の順。

実務ヒント(箇条書き)

  • 練習前にライン汚れを拭いて視認性を上げます
  • 温度が高い日は番手を一つ遅くする目安を持ちます
  • ネットの高さは中央1.524mの維持を習慣化します
  • ポスト間の弛みは触れない程度に調整します
  • ストリング切れは即コールし安全を優先します
  • ウェアの色規定は要項を事前確認します
  • 床の汗はすぐに拭き取り滑り事故を防ぎます

事例:夏の体育館で番手が合わずアウト連発。基準打で番手を下げたら深さが安定し、サーブの高さ違反も減った。まずはテストで環境を掴むことが最短でした。

シングルスとダブルスの違いをルールと動線で押さえる

種目差の焦点は、有効コート範囲とサービス順の違いを明確にし、得点の偶奇で立ち位置を即決できるようにすることです。戦術の話に前のめりにならず、まずは進行を止めない段取りを身につけます。

サービス順と得点進行の違い

シングルスは一人が偶数右・奇数左を行き来し、得点した側が次サーブ。
ダブルスはチームが得点した時だけサーバーが交代し、受け側は得点しても交代しません。ローテーションの記録を口頭で確認すると混乱が減ります。

有効コートの違い

シングルスは狭いサイドライン、全面奥まで。ダブルスのサービス時は奥が短く、ラリー中は全面が有効です。
「サービスの時だけ奥が短い」ことを先に覚えると、初心者の反則は激減します。

インターバルとエンドチェンジ

両種目共通で、ゲーム中は11点で60秒のインターバル。ゲーム間は120秒。
決勝ゲームでは先に11点を取った側でエンドチェンジが行われます。風向や照明の眩しさで優先順位を決めると有利です。

有序リスト(混乱を防ぐ段取り)

  1. スコアを声に出し偶奇を確認する
  2. サービスコートを指差しで共有する
  3. ローテーション表をベンチに置く
  4. 審判がいない時は合意の合図を決める
  5. インターバルのタイムを明確に取る
  6. エンドチェンジで風と照明を再確認する
  7. 迷ったらレットで安全に戻す

比較:シングルス/ダブルス

サービス奥行 全面有効 ロングサービスラインまで
サイドライン 内側を使用 外側を使用
ローテーション 個人で偶奇を切替 チームで交代を管理

注意:ダブルスで失点後に受け側の立ち位置を入れ替える必要はありません。得点しても受け側は立ち位置を固定し、サーブ権を得た時点で偶奇に合わせて移動します。

試合の進行・審判・マナーを揃えて安全に楽しむ

運用の焦点は、開始前の合意、プレー中の声掛け、終了時の礼儀を通じてトラブルを未然に防ぐことです。審判がいる試合でも、選手の協力がないと進行は滞ります。セルフジャッジではより丁寧なコミュニケーションが要になります。

開始手順とトス

プレー前にシャトルやラケットでトスを行い、サーブ・レシーブ・コート選択のいずれかを決めます。
ウォームアップは通常2分。得点板やタイマーを用意し、ラインズマン不在なら双方がインアウト宣言を尊重することを約束します。

インターバルとエンドチェンジの運用

主審は11点で60秒、ゲーム間120秒を告知します。
セルフではスマートウォッチや携帯のタイマーを使い、時間管理を徹底します。タオルや給水はコート外の安全な位置で行い、器具はラインから離して置きます。

マナーとセルフジャッジ

相手の準備が整う前のサーブは避け、過度なシャウトやラケット投げは反スポーツ行為です。
微妙な判定は相手に有利でコールし、双方が見えなければレット。安全に関わる床の汗や破損は全員ですぐに対応します。

Q&AミニFAQ(進行編)

Q. 途中でスコアが分からなくなりました。
A. 直前に得点した側の記憶を突き合わせ、合意不能なら可能な最も公平なスコアに戻してレットで再開します。

Q. 観客の声でプレーが止まりました。
A. 明確な妨害ならレット。再発防止の注意を行い、同サーブで再開しましょう。

Q. 主審の判定に異議がある時は?
A. キャプテンを通じて冷静に申し出ます。繰り返す抗議や侮辱は罰則の対象です。

ミニチェックリスト(安全と礼儀)

・開始前に番手テストとタイマー確認。
・ラインの視認性と床面の安全を確認。
・器具はコート外へ、ラケットは投げない。
・微妙な判定はレットで共有、終了時に整列と礼。

手順ステップ(セルフ試合の流れ)

1. ルール合意(得点法・サービス順・レット基準)。
2. トス→ウォームアップ2分。
3. スコアは両者コールで確認。
4. 迷いは即停止→合意→再開。
5. 終了後は握手と礼で締める。

まとめ

バドミントンの基本ルールは、ラリーポイント制とサービス規定、インアウトの境界、反則とレットの扱いに集約されます。数字や用語を最小限の基準に整理し、迷ったらレットで安全に戻す判断を共通化しましょう。
シングルスとダブルスの違いは「サービス時の奥行」「サイドライン」「ローテーション」の三点を押さえれば実務上の混乱は激減します。コートと用具の基準は、判定に効く要点だけ覚えれば十分です。
開始前の合意と丁寧なコール、終了時の礼儀までを含めてルールです。基準が揃えば、技術と戦術の勝負に集中でき、どの会場でも自信を持ってプレーできます。