ダブルスのペアは、ルールに沿った並びと役割の共通理解から整えるのが近道です。声の掛け方や視線の配り方を含め、試合の流れに乗れる準備を家と練習で積み上げると、焦りが減り判断が整います。
- サーブ順と立ち位置の約束を先に合わせる
- 前衛と後衛の受け持ちを言葉で共有する
- ローテーションの例外を2つ決めておく
- 弱点コースのカバー方法を決めておく
- 合図と声の語彙を10個ほど用意する
- ラリー後の一言でズレを微修正する
- 試合用と練習用の配置を揃えておく
バドミントンのダブルスのペアを決める基準と連携の流れの目安|ミスを減らす工夫
最初のつまずきは、サーブ順と立ち位置、そしてローテーションの勘違いから生まれます。ここで土台を整えておくと、戦術の会話が噛み合います。サーブ権とスコアの偶奇、前衛後衛の切替という三点を揃えるのが目安です。
ダブルスは得点の偶数・奇数でサーバーの立ち位置が変わり、相手も同様に位置が決まります。混乱が起きやすいのはラリーの最中にローテーションした後の「次のサーブ位置」です。得点後に慌てて左右を入れ替えると、レシーブ側の配置や狙いが崩れます。
まずはスコアの偶奇を声に出して確認する習慣を作り、誰がサーブしどこに立つかを短い言葉で合わせると、出足のミスを減らせます。
注意:ラリー中の位置は自由ですが、サーブ時は決まりがあります。打つ人とその立ち位置、相方の立ち位置が条件で決まるため、「今は自由」か「今は固定」かを互いに認識できると混乱が減ります。
サーブ順とレシーブ順の決まりを押さえる
サーブは得点した側が続け、奇数点なら左、偶数点なら右から始まるのが基本です。ここでの混乱は「誰が打つか」と「どの枠に立つか」の二重の誤解から生まれます。
二人で短い確認語を用意し「次は偶数右」「私は後ろ」など具体語で合わせると、直前の入れ替わりの影響を受けにくくなります。レシーブは相手サーバーの向かい側が担当で、以後はラリーの流れに応じて自由に動けますが、サーブ前だけは枠に縛られると理解すると扱いやすいです。
ローテーションの原則と例外の考え方
ダブルスのローテーションは、攻撃なら縦の並び、防御なら横の並びが目安です。
ただし相手のクロスクリアに釣られて二人とも同じサイドへ寄ると、逆サイドが空きます。例外として「深いクロスは後衛が回収、前衛はネット前で待つ」「中ロブは前衛が一歩下がって受け、後衛は中央に寄る」など二つほど合意しておくと、緊急時の判断が二手に割れません。
前衛と後衛の境い目を共有する
境い目は線ではなく帯だと捉えるとスムーズです。
相手のスマッシュが強いときは前衛の帯が下がり、ロブが多い相手には前衛が一歩詰めて圧をかけます。後衛は打つ前に「落とすのか、上げるのか、沈めるのか」を短い言葉で予告すると、前衛のポジションが決まりやすく、二本目の準備が間に合います。
コートの優先権と球際の判断
球際で二人が同時に手を出すと軌道が乱れます。優先権は基本的に前→後、中央→外、フォア→バックの順で考えると事故が減ります。
ただし、相手の球筋や自分たちの得手不得手で入れ替えが起こるため、「クロス前は前衛」「センターの浮きは後衛」など具体的な約束語を3つほど作ると、瞬間の迷いを小さくできます。
フォールトを防ぐための線の扱い
ダブルスはサイドラインが外側に広がり、サーブ時はショートサービスライン内側が有効です。
特にバック側ショートサービスのフォールトは点に直結するため、トスの高さと打点の位置を安定させる練習を含め、試合では「浅い」と感じたらすぐに配球を変える柔軟さが目安です。ラインに関する認識は、ジャッジの癖や体育館の視認性でも揺れます。
チェックリスト:
・サーブ前に「偶数/奇数」「打者名」「立ち位置」を声に出す。
・クロスロブの回収役と残る役を二つの言葉で共有。
・センターの浮き球は「どちら優先」かを固定。
・前衛の帯を相手の球質で一歩詰め/下げする合図を用意。
・フォールトが出たら原因を一言で共有して引きずらない。
- 偶奇
- 得点が偶数か奇数か。サーブ位置の合図に使う。
- 帯
- 前衛と後衛の受け持ちが重なる幅。状況で前後する。
- 優先権
- 球際で先に触る側の合意。前→後、中央→外が目安。
- ローテ
- 並びの入れ替え。攻撃は縦、防御は横が基本。
- 配球
- コース選択の組み立て。相手の弱点に重ねて使う。
役割分担とフォーメーションの選び方

二人の特性が違うほど、並びの形が活きます。サーブからの三球までに役割が見えると、全体の流れが整います。初速のある人と粘れる人、前の駆け引きが得意な人の強みを拾い上げ、組み合わせの候補を持っておくと、相手に合わせた微調整が容易です。
縦並びと横並びの使い分け
攻撃では縦、守備では横が目安ですが、ずっと固定では窮屈になります。
スマッシュに威力があるなら縦を長めに維持し、相手に沈められて苦しい時間は横で面を増やして粘ります。前衛がネット前で圧をかけられる相手には、横から縦へ早めに遷移すると、相手の判断が遅れます。並びは「状態の表明」と捉えると、焦らず切り替えやすいです。
前衛型と後衛型の長所を引き出す
前衛型はネット前で相手の選択肢を削り、甘い球を刈り取るのが得意です。後衛型はコースの幅で相手を動かし、決め球を作る下地を整えます。
どちらも単独では機能しづらく、前衛の圧で浮かせて後衛が打ち切る、後衛の沈めで前衛が刺す、と役割が循環すると強みが増幅します。
相性を測る簡易テスト
三球連続のドリルで「前衛の予告→後衛の選択→前衛の仕上げ」を繰り返し、成功率と迷いの回数を数えると、組み合わせの方向性が見えてきます。
成功の基準は入る入らないではなく、選択が合っているかどうか。合うならズレても回収でき、合わないなら良い球でも混乱が残ります。
手順:
1. サーブ側が狙いを一言で予告(例:沈め)。
2. 相方が二球目のコース候補を宣言(例:バック奥)。
3. 三球目は前衛の仕上げ方向を提示(例:前クロス)。
4. 10本で迷いの回数と仕上げの形を記録。
5. 迷いが多い場面だけを抽出し練習枠へ移す。
メリット:強みをはっきり出せる、決め球の型が作りやすい、声かけの語彙が少なくて済む。
留意点:一方の負担が偏ると終盤で崩れやすい、相手の配球変更に遅れやすい。
よくある失敗①:得意を押し通して並びを固定。状況で並びを切り替える発想が薄いと、相手の流れを止めづらいです。
よくある失敗②:役割の言語化が曖昧。合図を前日までに決めておくと、当日の迷いを短くできます。
よくある失敗③:三球目の責任が不明確。誰がどこを打つかを一本ごとに表明するだけで、迷いが半分ほどに下がることがあります。
配球とサーブ・レシーブの連係を高める
サーブ三球でリズムが決まることが多いです。配球の狙いを二人で共有し、相手の返球の幅をあらかじめ絞ると、待つ場所と準備が一致します。ショート主体かロング主体か、センターを起点にするかで、前衛の立ち位置が微妙に変わります。
ショートサーブからの型を作る
ショートで沈めてネット前の主導権を握る発想は定番です。前衛は相手レシーバーのラケット面を見て、プッシュが来るか、ヘアピンか、ドライブかを予測し、一歩の入り方を変えます。
後衛はもし浮いたら即リカバリーに入る準備をし、相手の早いドライブにはセンターで待ち、クロスの浅い球には前衛へ譲る、など分担を前提に構えを作ると、一本目の反応が速くなります。
ロングサーブで下げてからの展開
相手が前に強いなら、ロングで一旦下げて体勢を崩すのも現実的です。
後衛はスマッシュを誘ってからのカウンターを想定し、センター返しの確率を高めます。前衛は相手の二本目の落としに備え、帯の位置をやや下げてから前へ出ると、食い付く距離が短くなります。
レシーブの返球を事前に共有する
レシーブ側は「沈める/浮かせる/押し返す」の三択を先に決め、相方の動きと噛み合わせます。
沈めるなら前衛寄りで詰め、浮かせるなら次の守備を厚く、押し返すならセンターで二本目を迎えると、次の形がクリアになります。合図は短く、誰でも同じ意味に解釈できる言葉を使うのが目安です。
Q:相手の前衛が速くて詰まる。
A:ショートのコースを散らし、クロスに一度見せ球を入れてからセンターへ戻すと、詰めのタイミングが揺れます。
Q:レシーブで上げがち。
A:最初の一歩を前へ出す練習を増やし、沈める選択を増やすと、相手のスマッシュを減らせます。
Q:配球が単調と言われる。
A:同じ構えから三種類を出す意識を持ち、一本目で見せた球と逆を二本目に置くと効果が出やすいです。
練習内目安のミニ統計:
・ショート→沈め成功の比率:6/10前後で安定域。
・ロング→センター返し誘導:5/10で及第、7/10で優位。
・レシーブ初球のミス率:2/10未満が堅調、3/10超で調整期。
ベンチマーク早見:
・合図語彙10個(沈め/抜く/押す/待つ/寄るなど)。
・三球の型3種類(ショート型/ロング型/センター型)。
・相手前衛への牽制球をゲームごとに5本目標。
・サーブの配分を前後半で一度入れ替える柔軟性。
バドミントンのダブルスのペアを決める基準

組み合わせは「相性」と一言で片付けられがちですが、測り方を具体化すると再現性が増します。球質の相性、移動テンポの相性、言葉の相性を三本柱に据え、数回の練習で仮説と検証を回すのが現実的です。
| 観点 | 測り方 | ズレの兆候 | 調整案 |
|---|---|---|---|
| 球質 | 沈め→決めの流れの成功率 | 浮き球が増える | 前衛の帯を一歩下げ様子を見る |
| テンポ | ローテの遷移時間 | 二人が同方向へ寄る | 例外ルールを二つ加える |
| 言葉 | 三球予告の一致率 | 予告と逆の返球が出る | 語彙を短縮し意味を固定 |
| 耐久 | 終盤の失点傾向 | 守備の粘りが落ちる | 横並び時間を増やす |
| メンタル | 失点後の一言 | 無言で間が空く | 合図を先に用意する |
球質の組み合わせを確認する
沈む球が得意な前衛と、沈めを作る後衛の組み合わせは流れが作りやすいです。逆に、二人とも打ち切り型だと、一本目の質は高くても二本目の準備が遅れます。
練習では後衛の三方向(直線/センター/クロス)に対し前衛の三つの入り方(詰め/待ち/下がり)を掛け合わせ、どの型でミスが減るかを記録すると、相性の輪郭が浮かびます。
移動テンポの相性を見る
前衛が二歩で入るタイプか、三歩で確実に詰めるタイプかで、後衛の打点選びが変わります。
テンポがずれると、後衛の決め球が相手の正面へ入り、カウンターで苦しくなります。テンポが合う相手とは、同じ球でも二人の体が同時に前へ出て、プレッシャーが増します。
言葉の相性と合図の整え方
同じ言葉でも人により解釈が違います。「短く沈める」はネット前かサービスラインかで幅が広いです。
語彙を10個決め、意味を一言で定義しておくと、当日の迷いが小さくなります。言語の相性は時間で育つ面もあるため、先に枠を作る発想が有効です。
「三球の型が一致すると負け試合でも内容に手応えが出て、翌週に勝ちへつながった」と語る声があります。結果より一致の手応えを指標にすると、焦りが減りました。
チェック項目:
・三球の意図を事前に10回中7回以上揃えられるか。
・縦から横、横から縦の遷移が2秒以内で収まるか。
・失点直後の声が5秒以内に出ているか。
・相手の配球変更に三本以内で追随できるか。
練習メニューと連携の磨き方
噛み合わせは反復で固まります。ゲーム形式だけでなく、連携の要素を切り出した練習を混ぜると、短時間でも改善が見えます。三球、帯の前後、センター処理の三つを軸に、段階的に強度を上げるのが目安です。
三球テンプレの反復
ショートから沈め→押し→前で決め、のように終着が明確な流れを10本単位で回します。
失敗の原因が球質ならコースを、位置なら帯を、判断なら語彙を調整し、一本ごとに一言だけやり直しのポイントを共有すると、学習の速度が上がります。
帯の前後を感じるドリル
前衛の帯をサービスラインから一歩後ろに設定し、相手に沈められたら下がる、浮いたら詰めるの二択を素早く切り替える練習です。
後衛は帯の動きに合わせて打点を変え、ロブで時間を作るか、ドロップで詰めを促すかを選びます。二人の距離が縮む場面を意図的に作ると、事故の芽を早く潰せます。
センター処理の徹底
センターは二人の迷いが出やすい場所です。「プッシュは前衛、ドライブは後衛」など線引きを一つ入れ、例外として相手の利き手側に速い球が来たら前衛が優先、などを追加すると、球際の事故が減ります。
迷ったら声で「任せる」「取る」を表明するだけでも、被る確率が下がります。
- ショート起点の三球テンプレを左右で各10本
- ロング起点で下げてからの二択を各10本
- センターの速球処理を20本、優先権の確認付き
- クロスロブ回収の例外ルールを使って10本
- 一本ごとに一言で修正点を共有して終了
- 最後に5本だけゲーム形式で確認
注意:強度を上げる前に語彙と合図を共有しておくと、声が遅れて事故が増える事態を避けやすいです。反復の量より、一本ごとの修正の質を重視するのが現実的です。
よくある失敗①:ゲーム形式のみで改善を期待。要素練を挟むと、翌週のゲームで改善が分かりやすくなります。
よくある失敗②:二人が同時に詰めすぎる。前衛の帯を基準に、後衛は半歩遅れて前進する意識が合うと事故が減ります。
よくある失敗③:修正点が長い。合言葉は一つに絞ると、次の一本で反映しやすいです。
試合当日の意思疎通とメンタルの整え方
当日は緊張で声が遅れがちです。短い言葉で意図を伝え、良い失点と悪い失点を分けて捉えると、流れを引き戻しやすくなります。開始5分の情報集め、中盤の修正、終盤の集中の三段階でやることを決めておくと落ち着きます。
序盤の情報収集を共有する
相手のレシーブ位置、前衛の詰めタイミング、ロブの質を5分で観察し、二人で同じ言葉に落としておきます。
「前衛速い」「ロブ浅い」など短い指標で良く、序盤は点より情報を優先するくらいの心構えが目安です。情報が揃うと、中盤の修正が具体化します。
中盤の修正で流れを戻す
配球の偏りや相手の得点源が見えたら、三球の型を一つ変えるか、並びの遷移を一段早めます。
連続失点の最中でも、一本の成功を言葉にして残すと、終盤の自信に繋がります。ミスをとがめず、次の意図だけを短く置く姿勢が噛み合わせを守ります。
終盤の集中を共有する
20点台は一本の判断が試合を決めます。
「センター優先」「前衛は無理に触らない」など事故を減らす約束に戻り、リスクを抑えた配球で相手のミス待ちでも十分戦えます。勝ち筋が細いと感じるほど、合言葉を減らして丁寧に進むのが現実的です。
メリット:短い言葉での共有は、緊張時でも通りやすく、並びと配球の修正が早まる。
留意点:短くし過ぎると意味が曖昧になるため、事前の定義付けが前提になります。
Q:味方のミスが続くと空気が重い。
A:原因ではなく次の意図を一言で置くと、切り替えやすくなります。「次センター」「次ロブ深く」などが目安です。
Q:タイムアウトで何を話す?
A:相手の得点源を一つ削る案と、自分の得点源を一つ増やす案の二択に絞ると、行動へ移しやすいです。
緊張したら「声→位置→配球」の順に戻る、と合言葉を作っただけで、終盤の迷いが少なくなりました。二人で戻る道順があると、焦りが薄れます。
まとめ
ダブルスは二人の噛み合わせで強さが決まります。サーブ順と立ち位置の理解、攻守の並びの切替、三球の型の共有が揃うと、ラリーの意味づけが一致します。
組み合わせは「球質・テンポ・言葉」の三本柱で測り、合図の語彙と例外ルールを先に用意すると、試合中の判断が揺れにくくなります。練習では要素練とゲーム形式を交互に挟み、一本ごとに短い修正を積み上げるのが現実的です。
当日は序盤で情報を集め、中盤で一つ変え、終盤は事故を減らす約束に戻る。迷ったら合言葉に立ち返り、二人で同じ絵を見て進める形から始めてみましょう!


